je2egz’s blog

ごろごろなう



日本のUNIX

UNIXに関しては書籍でしか、日本のUNIX利用の初期が一般に知られていないため、
以下の「UNIX News」という社内情報誌の先進性が事実として認識されることが
なかったために、あえて書いておく。

この「UNIX News」というのは、解散したCSK株式会社の開発本部
 海前さん
が社内向け情報誌として執筆したものである。

そもそも、CSK株式会社は、会社更生法に収まらず、産業構造再生法という手続きで
解散した会社であるが、その先進の技術力は多岐に渡るものであった。

機械翻訳を看板とした開発本部と、エキスパートシステムを看板としたAI事業本部
があり、生き延びていたら古参のAI企業であったであろう。
セガというゲーム会社を子会社として6800を用いたゲーム機を開発販売したり
教育用のコンピュータを開発したりもしていた。

その前置きに
 JNIX
という日本語化したバークレーUNIXを商品として出していた。
VAX、Sunにテープからインストールする配布形式であった。
インストールが終了すると、発売元にメールが飛ぶようになっていたが
当時はメールも十分に届かない時代であったので、スプールに残る。
日本語化したカーシス、標準ライブラリと、VJEによる日本語変換を集めて
日本語の使えるアプリケーション開発環境である。
VJEは、他社から購入したものだが、その会社も無くなっている。

UNIX News」とは、
 上記のために、TTYドライバに手を入れることになる
というようなことが記述されている。

当時は、社内報であっても、それを他の大手メーカーがコピーし製本して所有して
誰も文句を言わなかった時代である(正直びっくりはしたが)。
UNIXの赤本と共に座右の銘であった。

パソコンでいうと
 RED
などもCSK株式会社が著作者である。

この後、AI事業本部の
 小坂さん
が、マルチプラットフォームの日本語Windows環境として
 日本語コモンウインドウズ
というのを開発していた。
これは、雑誌Bitの別冊として出版されたので、もしかするとご存じかもしれない。

だからといって、なんら現状が変わることはないが、そういう時代に生きていた
ことは幸いであった。

大学ではなく、企業が先端技術に取り組む環境であったからだ。