je2egz’s blog

ごろごろなう



かわちゃん

かわちゃんは、今の世代の若者の代表ではないだろうか。

かわちゃんと、初めて会ったのは、武庫川駅である。
車で入るのには狭いところで、探すのに苦労した。

今風のよくあるスタイル。着たいものを着ていて、女性らしさがない。
人と会っているのに、スマホをいじっていて音楽を聞きたがる。
付き合うようになったのも、車のステレオでスマホの音楽が聴けるからである。
運転する側にすれば、会話に気をつかわなくて済むので楽だ。

待ち合わせは西宮のドン・キホーテ
「レッツゴー」が口癖である。
六甲山とか、明石海峡大橋にもドライブに行った。
いつも行くとタイミングを外していて、六甲山は通行止め、明石海峡大橋は照明が消えていた。

それでも、楽しそうに明るくふるまってくれるので、また出かける感じ。
そのうち、胸の内を話してくれるようになった。

バイトで失敗して、単価がまた下がった。
割り算が怪しい。
彼氏がほしいけれどできない。

非正規雇用世代のフリーターを鏡に映したようなものだ。

コーヒーには、砂糖が二倍。居酒屋好き。
健康食品であるとか、美白化粧品とは縁遠いにもかかわらずスタイルが良く、それでいて彼氏ができない。

決まり事だが、流行のカラコンで結膜炎になり、片目眼帯で現れたときだけ、ちょっと引けた。
いったい、人をどのような価値で判断しているのか、といいたくなる世の中で、
かわちゃんは、泣きながら生きているのだ。

それでも、音楽に熱中するところは、救われる。
なにかひとつ夢中になるものがあれば、それでいいのだ。

かわちゃんには、友達がいた。
かわちゃんを長身長髪にして、モデルのような顔にした友達だ。
その友達には、唯一の欠陥、清潔感がなかった。
風呂に入っていないとか、着替えていないという無頓着なタイプ。
「彼氏はいるのか?」と聞いたら、「そんなもんいらん」と答えた。
その友達と会うと逃げ腰になるため、なんでも言うことを聞いていた。
そのおかげで、後でかわちゃんから、その友達から評判がよいと聞いて苦笑いした。

他にも友達がいて、ある日そのままでは夜道を歩けないような格好で現れたときに
「友達から借りた」
と言っていた。
夏になると、海やプールに出かけていた。
そういう友達がいるのであれば、安心だ。

いつだったか、ぷつっと連絡してこなくなった。
これは、やっと彼氏ができたに違いない。
ほっとした。